アシックスサステナビリティについて
マテリアティとリスク・機会

マテリアリティ(重要テーマ)評価プログラムを実施しステークホルダーおよび事業にとって重要なテーマを特定しています。包括的なレビューを3年ごとに実施し次の企業戦略とサステナビリティ戦略に備えています。2023年は中期経営計画2026の策定時に、ダブルマテリアリティ評価を行い、事業にもたらす機会とリスクを定義し、9つの重要テーマとその優先度を決定しました。
① 心身の健康
② イノベーション
③ 製品とサービスの品質
④ サプライチェーンの人権・透明性
⑤ 気候変動への対応
⑥ 循環型ビジネス
⑦ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン
⑧ コーポレートガバナンスと開示
⑨ 生物多様性と水の管理
このダブルマテリアリティ評価は、2025年よりASICS Europeに適用される、欧州のCSRD※1に対応するための準備のひとつとなっています。2028年より、ESRS※2に基づいたグローバルでの報告が必要となる予定です。
それに備えて、初期のマテリアリティ評価をCSRDの要件に合わせ、主要な事業活動とステークホルダーの識別、ESRSとSASBスタンダードのテーマ、並びに初期インパクト評価を行いました。さらに内部のステークホルダーとのダブルマテリアリティワークショップを開催しました。ギャップ分析の実施と社内の部署との連携により、関連情報を収集し、重要なテーマを明らかにしています。また、特定されたギャップに基づき、CSRDの要件に適合するサステナビリティ報告に 向けた、ロードマップの素案を作成しました。
※1 CSRD:Corporate Sustainability Reporting Directive(企業サステナビリティ報告指令)
※2 ESRS:European Sustainability Reporting Standards(欧州サステナビリティ報告基準)
サステナビリティ活動の枠組み

サステナビリティ活動の取り組みは、事業活動を通じて人々の心と身体を健やかにする People(人と社会への貢献)と Planet(環境への配慮)という2つの柱に基づいています。
この活動の取り組みは、当社のVISION2030および中期経営計画 2026に沿って作成されており、当社のマテリアリティ(重要テー マ)分析に基づいています。フォーカスポイントとして 具体的には心身の健康、サプライチェーンの人権・透明性、気候変動への対応、循環型ビジネス、の分野をカバーしています。中でも当社は創業理念に沿って、人々の心身の健康の項目に重点を置いています。
People -人と社会への貢献
Planet - 環境への配慮
KPIの概要
マテリアリティ(重要テーマ)に沿って、KPIおよび行動を策定しています。

バリューチェーンについて
バリューチェーンでのマテリアリティ
この表は、優先度の高いテーマとともにバリューチェーンへの影響について示しています。

原材料 | 環境負荷の低い素材、リサイクルまたはバイオベースのポリエステルや認定天然素材など、より持続可能な素材に切り替えています。 |
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材料加工品質 | 材料加工品質と安全の基準を満たし、生産工程における資源消費と温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。私たちは透明で公正かつ倫理的なパートナーシップを構築し、人々に力を与えます。 |
製品製造 | サプライヤーと協力して、製造時の環境負荷を低減する製品設計や、再生可能エネルギーの利用率向上、エネルギー効率の良い設備·車両の導入することなどを奨励しています。私たちは透明で公正かつ倫理的なパートナーシップを構築し、人々に力を与えます。 |
流通 | サプライヤーと協力して、環境への影響が少ないパッケージへの移行など、最も効率的な方法で製品をさまざまな市場に輸送しています。 |
販売 | 直営店の持続可能性を高めるために、エネルギー効率の向上、廃棄物の削減、安全性の向上に努めています。直営店での取り組みは、店舗設計と店舗運営に分かれます。直営店の環境配慮や安全性に関するガイドラインでは、店舗設計や店舗運営での重要な取り組みを定めています。 |
使用 | 製品の安全性と品質を重大な責務と捉え、事業全体でそれらの保証に関する方針や、国際的品質管理原則に基づくガイドラインを定め、全ての製品がお客様にとって安全であるよう努めています。 |
廃棄物とリサイクル | 廃棄物の削減と埋め立て処分ゼロの活動に取り組んでいます。全てのオフィスと配送施設で、段ボールや紙、プラスチックなどの分別リサイクルを義務付けています。また、いくつかの配送センターでは、輸送用包装材の再利用により、包装材の廃棄物化を防止しています。リサイクルが実施できない施設では、埋め立て処理ではなく焼却処理によるエネルギー回収を優先させています。 |
サステナビリティの管理

サステナビリティは、株主および取締役会に至るまで、アシックスの運営組織にとっての重要課題です。企業全体のガバナンス体制により、サステナビリティ戦略とビジネス全体の戦略が統合された状態を維持できるようになっています。
取締役会
企業目標にサステナビリティが組み込まれるよう、取締役会がアシックスのサステナビリティ戦略を監督します。最高管理責任者(CAO)は、サステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会からの情報をもとに、サステナビリティに関するリスクと機会について、CEOおよび取締役会に定期的に報告します。
サステナビリティ委員会
CEOが議長を務め、報告します。
リスクマネジメント委員会
COOが議長を務め、報告します。
人権委員会
人権についての助言、人権デュー・ディリジェンスの実施状況管理、およびアシックスの人権方針アクションの有効性についての評価を行います。
グローバルコンプライアンス体制
アシックスの従業員とビジネスパートナーは、機密性が保証されるグローバル内部通報システムを利用して報告できる体制を整えています。従業員、子会社、サプライヤーおよびパートナーがこの仕組みを利用するのを推奨しており、匿名で告発することもできます。グローバル内部通報方針に記されている手順に基づいて、報告が適切かつ秘密裏に取り扱われるよう徹底しています。重大な問題については、最終的には監査等委員会に報告されます。
※ 詳細は「グローバルプライバシー方針・グローバル内部通報方針」「コーポレートガバナンス」をご参照ください
サステナビリティ方針とガイドライン
アシックスの事業活動は国際的な基準及び条約に基づく明確な行動規範に従っています。我々はアシックスのサステナビリティ及び公正な労働慣行にコミットしたビジネスパートナーとのみ取引を行っています。原材料サプライヤーから生産委託先工場、小売店、消費者、製品の廃棄に至るまで、サプライチェーン全体に様々な方針、取り組みが適用されます。我々は従業員、サプライヤー及び幅広い利害関係者のサステナビリティの取り組みをサポートする様々な方針、ガイドラインを策定しています。
ASICS
ビジネスパートナー管理方針 (含サプライヤー)
- ビジネスパートナー管理方針(サプライヤー向け行動規範)
- 工場CSRコンプライアンス管理ガイド
- アシックスグローバル工場選定ガイドライン
- 委託先工場の撤退・縮小時の対応ガイドライン
材料調達方針
- アシックス材料選定ガイドライン
- 動物由来の材料に関する方針
- 紛争鉱物に関する方針
- リサイクル材料に関する方針
- 綿に関する方針
- 制限物質に関する方針
- サステナブルパッケージ方針
社外からの評価

ESG投資指標「Dow Jones Sustainability Asia/Pacific Index」の対象銘柄に10年連続で選出
DJSIは、米国S&Pダウ・ジョーンズ社とスイスのESGアセスメント会社SAM社が共同で開発した世界の代表的なSRI指標。世界各国の企業の持続可能性(サステナビリティ)を経済・環境・社会の3つの側面から評価し、優良企業を選定するものです。

CDP
気候変動分野の最高評価である「気候変動A リスト」企業にはじめて認定されました。

FTSE4Good Index Series、FTSE Blossom Japan Indexの対象銘柄に引き続き選定
FTSE Russellが提供する世界の代表的なSRI指標で、世界各国の企業の持続可能性(サステナビリティ)を環境・社会・ガバナンスの3つの側面から評価し、優良企業を選定するものです。

MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数の対象銘柄に引き続き選定
MSCI社は500種類以上の指標から構成されるESG(環境・社会・ガバナンス)指標を提供しています。同社のグローバル・サステナビリティ・インデックスは、対象指標の各業界内で修正時価総額の50%を占める最もESG評価の高い銘柄で構成されています。